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毎日かあさん 5 黒潮家族編毎日かあさん 5 黒潮家族編
西原理恵子
毎日新聞社 刊
発売日 2008-12-13
価格:¥880(税込)
オススメ度:★★★★



円熟味を増した家族スケッチ
夫・鴨志田氏を失ったあとの休載期間後に描かれた作品集。
西原家の子どもたちもいつの間にか大きくなって、もう二人とも小学生である。
私は作者の教育方針について以前にあれこれ書いて、その度に大顰蹙を買っていたが、最近西原さん自身が新聞等で発言している内容は私にとっても異存なく、この巻での彼女の振る舞いや考え方にも大きな違和感は持たなかった。
以前の彼女の教育論が創作上のギミックであったと考えるよりも、子ども達の成長に伴って彼女が変わったのだと私は考えたい。

この本に登場する子ども達は一昔前のような育ち方をして、充実した幸福な子ども時代を送っているように見える。
しかし最後の「どこから」を読んで私がつい考えたのは、この世には、あってはならない境遇に生まれる子どもがたくさんいる、ということだった。
空豆の中で「まだかなまだかな」と、生まれるのを心待ちにしている将来の子どもたちの一部は、生まれなければよかったような悲惨な人生を歩む運命をもって生まれてくる。
作者の描く叙情が心に沁み入るほど、現実とのギャップに心が痛んだ。
笑って終わろうとしていた読書が、最後に重い問題を突きつけた。
それは本書の読者にとって意義深いことだと思う。

西原理恵子の時代!って感じはするな、今は。
 また読まされてクヤシイ。
本巻所収「今年の盆」(p77)で、関東式のお盆の作法を知らずオロオロするサイバラを尻目に、母親がそれらしく飾り付けをする。
「知っとったんやったら先に教えてやー」と文句を言うサイバラに、「適当じゃ。この方が見た目がそれらしゅうに、ごまかせるぞね」と嘯く母親。
フキダシの外で「この方法で75年生きてきた母と、43年商売してきた娘。どうよこの血のつながり」という自分ツッコミ。
 あるいは「子供の質問」(p68)。
ゴハンを口に押し込みつつ、娘が「ウソつきはドロボーのはじまりって言うけど、お母さんけっこうウソつくよね」と言うと、息子が「お母さんのウソは仕事なの。半分に聞くの」と諭す場面。
心して聞きたいセリフ。
 ところでサイバラって今や大変なリッチなはずで、この本からもそれは窺えるのだが、行動パタンが「らしくない」よね。
ビンボー人が「お金」というモビルスーツを着て暴れまわってるみたいなところもあるんだけど、考え方がビンボー時代のままだから、あまりイヤミじゃない……おっとっとっと、これは飽くまで漫画の中のサイバラさんの話ですが。
 しかし、本巻はビミョーにパワーが落ちてて、なんか身辺雑記度が高まってる印象もある。
やや気懸かり。

毎日かあさん 5 黒潮家族編
サイバラ漫画に感動を求めない自分としては、本作が毒が薄まりつつ、いわゆる「あるある」漫画になってしまうことを懸念してしまうのだが隠された毒を見つけてニヤッと出来るのでまだまだ大丈夫だ。
逆に言えばサイバラ入門編としては最適でありそれは漫画を読まない家の嫁が手に取ることからも推察できるように万人にお勧めできると思う。

読めば元気が出て、所々読者の琴線に触れてくる
私はサイバラとは「まーじゃんほーろーき」以来の付き合いなのだが、本作はサイバラの新聞掲載マンガと言う事で手に取って見た。
キチンと新聞掲載を考慮して題材を選びつつ、相変らずの怒涛の勢いで読者に迫る様には感心した。
子供との身体を張った毎日の様子をいつものギャグで描く。
その中で、"鴨"との思い出を全編に散りばめ、読む者の心を切なくさせる。
そして、ギャグの中に読者の子供時代を懐かしく思い起こさせる、さりげない一言を添える。
バランスが絶妙である。
上で題材を選んでいると書いたが、サイバラ自身の破天荒な言動は黙して語らない(最近は「FX」に突っ込んでいるようだ)。
巧みである。

読めば元気が出て、所々読者の琴線に触れてくる歯ごたえのある傑作マンガ。

辛らつで暖かい西原節には依存症になる危険がある
 毎日新聞での連載をまとめた「かあさん」シリーズもいよいよ5巻目。
元夫で子どもたちのお父さんであった鴨ちゃんこと鴨志田さんが亡くなった後の西原家の物語です。
 息子は相変わらず成長がみられぬまま、そして娘は女の子の常でお兄ちゃんよりもどんどんしっかりした女になっていくさまが 時にほほえましく、そしてまた時に諧謔的に描かれています。
 西原節は健在。
著者の主張するところは一貫していて、人生ってやつは甘くはない。
その激しくも痛い日々を甘えることなく歯を食いしばって歩き続けるべき。
そのための強い精神と手段を手に入れるためにどうするかが 子育ての基本精神でもある。
 その筆致は漫画であるとはいえ、少しばかり辛らつにすぎるところもなきにしもあらずですが、数々のめったになさそうなほど痛ましいほどの物語の中に、誰の人生にも共通のぬくもりある真実を紛れ込ませる著者の筆致に、たまらなく魅かれるのです。
 そしてこの第5巻では、今まで赤ん坊だった子どもたちがだんだんと自立していって、お母さんとの距離を徐々に長くしていく様子が描かれます。
その姿に著者は母としての寂しさと、おそらくは喜びを噛みしめている。
 そして人類はそうしたパターンを繰り返してきたのだなぁと、そのことにふと心くすぐられる思いがします。

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